最終更新日:2021/10/11 08:51
# 買うときの「CPUとは?」
必要そうなところだけを掻い摘んで見ることをお勧めします。
この記事では
などの疑問に答えることを目的としています。
## そもそもCPUとは
CPUは中央処理装置の頭文字を取ったもので、コンピュータの普通の計算を行っている。
平たくいうとこれが早いほど処理が早いってこと。
この記事では、CPUがどういうものなのかということと、パソコンを買う際によく耳にするワードについて解説していく。
## CPUを見る方法
CPUの性能を表す指標として大きく分けて以下が挙げられる。
- 世代
- クロック
- コア数
また、CPUの種類としてAMDやintelといったメーカーや場合によっては命令セット、追加機能としてCPU内蔵GPUであるかどうかが記載されていることもある。
## CPUの世代
「intel第10世代CPU内蔵」とか「第3世代Ryzenテクノロジー搭載」とか広告されているものがこのCPUの世代。
大まかに一年に1世代ずつぐらいの頻度で更新されている。
今の最新は
- intelが第10世代
- AMDが第4世代
になっている。
このCPUの世代は型番から判断することもできる。
- intelの場合「Core i7-**10**65G7」なら第10世代、「Core™ i3-**9**100F」なら第9世代のように**太字の部分がそのまま世代**になっている
- AMDの場合は
- ノートパソコンの場合「Ryzen 7 **4**700U」なら第3世代、「Ryzen 5 **3**500U」なら第2世代のように**マイナス1したものが世代**になっている
- デスクトップの場合、**第1~3世代はそのまま、第5世代はマイナス1したものが世代**になっている
何がともあれ、型番の4桁目以上が高いほど世代が高いということだ。
「あれ?intelの第10世代とAMDの第4世代はどっちがいいの?」という疑問については[後の章](#intelとamd)で書くことにする。
### 世代が違うと何が違うの?
世代によって一番注目すべき変化はクロックあたりの性能の上昇だ。
多分正しくはないが、しばしばIPCとも呼ばれる。この記事では便宜上その呼び方を採用する。
IPCは要領の良さ、効率を示す。
どんぶり勘定でCPU全体の性能は
- 一つのタスクをこなす性能については「IPC × クロック」
- 同時に複数のタスクをこなす性能については「IPC × クロック × コア数(スレッド数)」
で計算できる。
IPCの向上はあらゆるタスクにおいて有利に働くため、世代が高いほど良いということになる
ここで「クロックをあげれば良いのではないか?」という点が気になるとこではなるが、これについては[クロックの章](#クロックってもっと上がらないの?)に書くことにする。
IPCってどうやってわかるのかという疑問についてもその章へ。
## CPUクロック
CPUにはクロックという概念がある。
「2.3GHz」や「基本クロック2.7GHz、最大ブーストクロック3.7GHz」といった表記で示される。
このクロックというのはCPUの作業、例えば「データを持ってくる → 処理をする → 指定の場所に格納する」と言ったサイクルを一纏めにして、それが1秒間に何回行われるかというものだ。
### そんなに高くできない理由
確かにクロックを高くすれば性能は向上する。
しかし、クロックの上昇に合わせて消費電力の増大が大きくなるという問題がある。しかもこれは比例しない。
特に低消費電力を要求するノート向けCPUでは無闇矢鱈にクロックをあげることはできない。
また、あるところでクロックが上げられなくなる上限が存在する。
そういうことで「ちょうどいい」クロックを設定してメーカーはCPUを販売している。
### クロックってもっと上がらないの?
当然世代やメーカーによってクロックの「あげやすさ」は変化する。
実際、1990年から2000年前半までクロック戦争とも言えるいかにクロックを上げられるCPUを作るかといったことが焦点になっていた時代もあった。
しかし、それが頭打ちを迎えてクロックはもう大幅には向上しない時代となってしまった。
## コア数とスレッド数
コア数やスレッド数というのは同時に複数のタスクを処理する際に重要になる。
大雑把に
- コア数はCPUにある「計算器」の数
- スレッド数は同時にこなせるタスク数
ぐらいの理解があればまず困らない。
コア数とスレッド数に差が出てくるのは一つの計算器が同時に複数のタスクを実行できることがあるからだ。
### コア数は多い方がいい?
世代やクロックと違い、コア数については腐ることがある。
そこまで多くのタスクを同時に処理するわけではないのにコア数が多くても値段が高くなるだけで全く活用できてない状態になってしまう。
目安としてはノートパソコンなら4コア8スレッド、デスクトップなら6コア12スレッド以上を目安にすると良い。
使うソフトウェアによっても差が出るため以下にまとめる。
| 用途 | 要求コア数 |
| :------------: | :--------: |
| プログラミング | 普 |
| Office | 少 |
| 動画編集 | 多 |
| 音楽作成 | 普※ |
| 画像編集 | 普 |
多い方がいいものは目安よりも多めに見積もると良い。
※ スタイルによるらしいので、ここはその筋の人に聞いた方がいいかも
## intelとAMD
パソコン用のCPUメーカーにはintelとAMDがある。
- 「i7」、「celeron」、「atom」などはintel
- 「Ryzen」、「athron」などはAMD
ここまで、CPUのスペックを見たときに一番に目に付く「i7」だとか「Ryzen」とかいう話に触れてこなかった。
なぜかというと、あれはブランド名であってわかりやすく印象づけるためのものだからだ。
別にi7の方がi5より強いというわけではなく、世代によって入れ替わる。特に顕著だった例だと「第8世代のi5」は「第7世代のi7」より圧倒的に良かった。
### Ryzenってi7とかと何が違う?
当然AMDとintelとでメーカーが違うわけだが、どっちの方がいいか。
その疑問は様々な検証記事を読むべしというのが答えになってしまう。
大体の性能についてはベンチマークスコアを見ると良いだろう。`cinebench` や `passmark` 等で検索をかけるといい。
IPC等もそのスコアから計算される。(二度目になるが、そのような計算値はIPCではないが便宜上そう呼んでいる)
つまり、1コアで計測したスコア(シングルスコアなどと呼ばれるもの)をクロックで割ってやることで求めている。
それでもメーカーが違うということはあらゆる面で違い、例えばIPCも含めて数値上は同じような性能であっても、AMDは動画書き出しなどにおいて強く、intelはゲームに強いといった差がある。
AMDについては第4世代においてゲームという弱点もかなり克服しているが、そもそもなかなか売っていない。